PRP療法とは、患者様自身の血液に含まれる血小板（ケガをしたときに血を止める細胞）を利用した再生医療です。

血液を遠心分離させ出来る特定の層には血小板とたくさんの成長因子が含まれます。それを膝関節内に直接注入することで、患者様ご自身の組織修復機能を促進したり、痛みの軽減を目指す治療です。

最近ではメジャーリーガーなどプロスポーツ選手のケガの治療にPRP療法が使われ話題になりましたが、一般の方でも変形性関節症・腱や筋肉の損傷などに対する治療法として広く利用されています。

中でも、中高年の女性に多い年齢性の変化で膝の軟骨がすり減り痛みが出る変形性膝関節症に対しては、“内服やヒアルロン酸注射などによる保存療法“と”人工関節置換術などの手術療法“の中間に位置する新しい治療法として注目を集めています。

どのくらい良くなりますか？

効果には個人差がありますが、変形性膝関節症の患者様では、約６割の方で痛みの改善があったことが報告されています。

入院や安静は必要ですか？

外来による注射のみの治療ですので入院の必要はありません。注射後の安静や行動の制限も基本的にはありません。

危険性やデメリットはありますか？

アレルギー反応や副作用の報告は今のところありません。
注射そのものによる細菌感染が起こりうる可能性はありますが、自分の血液を加工し、一部を体内に戻すだけですので、極めて安全な再生医療と言えるでしょう。
しいて挙げるならば、保険外診療のためすべて自費となることです。（当日投薬や画像検査があれば、それも自費となります）
また採血後に感染症（B型肝炎・C型肝炎、梅毒、HIV、ヒトT細胞白血病）が発見された方は、加工ができないため、治療は不可となります。

ご予約から治療までの流れ

お電話で　関節外来　の診察日時をご予約いただきます。その際に「PRP療法を検討している」とお伝えください。
すでに当院整形外科に通院中の患者様は、担当医に直接ご相談ください。

＜　関節外来　＞
伊藤　月曜　15時～16時30分
田島　火曜　15時～16時30分
辻　　 金曜　9時～12時00分

関節外来にて、お膝の状態やこれまでの治療経過を確認させていただき、PRP療法が適応可能かどうかについて判断させていただきます。
適応があり、治療を希望される場合は、同意書に署名を頂き、医師がPRP療法外来の予約をいたします。

＜　PRP療法外来　＞
木曜　15時～16時30分

PRP療法外来（1回目）にて、感染症検査用とPRP作成用の血液を約50ml採取します。
費用は、この時に一括でお支払いをお願いいたします。
医師の方で、3週間後以降のPRP療法外来（２回目）の予約をいたします。

※感染症検査（HIV・HBV・HCV・梅毒・HTLV-1）の結果で陽性項目があった場合は、PRP作成不可となります。その場合は、感染症検査費用のみをご負担いただき、残金を返金致します。

PRP療法外来（２回目）にて、PRPの膝への注入を行います。（２回に分ける場合もあります。）
この受診の費用は発生いたしません。
医師の方で、経過観察のための関節外来の予約をいたします。

※継続的に注入を計画する場合は、次回用の採血を行い、費用をお支払いいただきます。

PRP療法外来受診同日には他科も含め全ての保険診療の受診はできません

現時点では保険外診療（完全自費診療）で行う治療ですが、膝の痛みで長年ヒアルロン酸製剤の注射を受けているが効果の乏しいという方や、何とか人工関節以外の治療を模索したいといったような患者様は特にPRP療法を試す価値があります。
詳しい適応などについては医師に直接ご相談ください。

※アキレス腱断裂後などで速やかなスポーツ復帰が必要な方、テニス肘などで保存治療を受けていたが効果が乏しい方など、PRP療法は筋肉や腱の付着部、靭帯などの修復や痛みの軽減にも効果が期待されています。詳しくは医師にお尋ねください。